300日問題~子どもを無戸籍にしないために

離婚後300日問題に悩む方が増えています。 当ブログは、数人の体験談をもとに、子どもの戸籍を取得するまでの流れや手続きについてまとめました。

無戸籍の子どもの住民票のとりかた・行政サービスの受けかた

予防接種に定期健診、学校など、子の成長には行政サービスの利用は欠かせません。

 

ひと昔前までは、無戸籍の子どもはその存在を国や自治体から無視される存在でした。

 

ですが、この離婚後300日問題により子どもが不利益を被ることは、本来、子どもには全く関係のないことで、あってはなりません。

 

そのため、現在は戸籍を取得できていなくても、先に住民登録をすることができ、他の子どもと同じように行政サービスを受けることが可能となりました。

 

無戸籍の子どもが行政サービスを受けるには、まずはお住まいの自治体に住民登録をする必要があります。

 

住民登録が済めば、住民票の発行も可能です。

 

こちらの記事では、無戸籍の子どもの住民票のとりかたと行政サービスの受けかたについてまとめました。

 

目次

 

無戸籍の子どもの住民票のとりかた

一般的には、出生届を役所の戸籍課に出せば、戸籍登録とともに住民登録がされ、住民票がとれます。

 

ですが、300日問題にかかってしまう子どもは先に出生届を出してしまうと、元夫の子として戸籍に載ってしまうことから、現在は出生届を提出する前に調停をし、結審後に出生届を出すことがほとんどです。

 

300日問題にかかってしまう無戸籍の子どもの場合、出生届と裁判所から発行される「事件係属証明書」を役所にもっていけば、住民登録が可能です

 

それが終わると住民票を発行したり、行政サービスを受けたりできます

 

法務省のHPにもその旨記載があります。

(余談ですが、疎明資料その他必要書類ってちょっとわかりにくいですよね。誰がみてもわかりやすく書いて欲しいものです。)

 

(参考)法務省のHPより

民法772条による嫡出推定が及ぶことに関連して出生の届出がされていない場合であっても,親子関係不存在確認や強制認知等の手続を行っていることの疎明資料その他必要書類を添付の上申出がなされたときには,市区町村長は,申出内容を審査の上適当と認める場合に職権で子を住民票に記載することができることとされています

www.moj.go.jp

 

以下が実際に住民登録をするための流れです。

出生

病院から出生届を受け取り、すぐに調停の申し立てをする(郵送もしくは直接裁判所へ必要書類を提出)

※1このとき、調停の申し立て書類一式に、事件係属証明書の請求書と返信封筒を添える。

裁判所から事件係属証明書が送られてくる(スムーズにいけば調停申し立てから1週間以内)

出生届と事件係属証明書を役所に提出※2

住民登録完了

 

※1・・・調停の申し立て書類だけでは、この証明書は発行して貰えません。

 

その地域の裁判所によって、書式は異なりますが、例)のような証明書の申請書がありますので、こちらに内容を記載します。

例)http://www.courts.go.jp/tokushima/vcms_lf/20150320.2.pdf

 

そして、事件係属証明書を送り返して貰わないとならないので、自分の住所を宛先に書いた切手付き返信用封筒も同封します。

 

※2・・・役所の窓口は、戸籍課で対応するところもあれば、住民課で対応する自治体もあるようです。

 

自治体によっては、無戸籍の子どもの住民登録自体、これまでしたことがないというところもあります。

 

いざ役所に行っても時間が掛かってしまっては、産後のお母さんは大変疲れてしまうと思いますので、戸籍課などへ電話連絡し、先に事情や名前を伝えておくと、いざ役所に行ったときにスムーズに対応して貰えます。

 

予防接種や定期健診など、自治体の保健サービスを受けるためには

上記の流れで住民登録がされれば、自治体が子どもの存在を把握できるため、小学校の入学などの案内がされます。

 

それとは別に、自治体が行う予防接種や定期健診の案内は、自治体の保健センターが行っていますので、保健センターへ出生した旨知らせる必要があります。

 

これはとても簡単で、母子手帳についている、出生連絡票のハガキを送るだけです。

このハガキは戸籍や住民登録のあるなしに関わらず、出生したらすぐに出せますので、できるだけ早く保健センターの窓口もしくはポストに投函しましょう。

 

無戸籍の子どもの健康保険証はどうするか

無戸籍の子どもでも、健康保険証は発行できます。

 

また、健康保険証の発行には住民票も必要ないことがほとんどですので、子どもが産まれたらすぐに手続きするといいでしょう。

 

会社に勤務している方・・・勤務先や勤務先の健康保険組合に子どもが出生した旨伝え、被扶養者として「変更届」を出すだけで健康保険証が発行できる。

ほとんどの場合、税金などの社会保険の手続きと同時に行う。

 

戸籍・住民票・出生届すら必要ないことが多い。

 

「変更届」はそれぞれの勤務先・健康保険組合が独自の書式でフォームを用意していて、会社の人事サービスや健康保険組合のHPなどで確認が可能。

また、このとき無戸籍の子どもである旨は伝えなくても問題はない。

 

国民健康保険に加入している方・・・住民票がなくても、出生届の母親の住所と現住所が同一である旨確認がとれれば子どもの健康保険証も発行可能。

 

ただし、自治体によって手続きの詳細は異なるので、事前に問い合わせが必要。

 

 

健康保険証の発行ができたら、自治体で行う「子どもの医療費助成」の手続きも併せて行いましょう。

この手続きは、住民登録が必要であることがほとんどです。

自治体によって手続きの方法は異なりますので、問い合わせが必要です。