300日問題~子どもを無戸籍にしないために

離婚後300日問題に悩む方が増えています。 当ブログは、数人の体験談をもとに、子どもの戸籍を取得するまでの流れや手続きについてまとめました。

離婚後300日問題~Tさんの嫡出否認調停①

まず最初に、離婚後300日問題を経験した方のお話から書いていきたいと思います。

この記事を読めば、この問題がどんな内容で、解決までにどのような手順を踏まなければならないのかがわかるかと思います。

 

※離婚日や妊娠した日は仮で設定しました。

 

出生から手続きが完了するまでの流れと日付

Tさん

  • 離婚日 11月1日
  • 最後の生理が始まった日 10月3日
  • 出産した日 7月11日

Tさんは離婚前に現在の夫と性交渉をし、妊娠。

出産は離婚してから300日以内となるので、そのまま出生届を提出してしまうと、元夫の子どもとして子どもの戸籍ができてしまいます。


戸籍取得のためにTさんが行ったことの流れ


12月中旬 妊娠確定
翌2月 元夫へ妊娠の事実を伝え、調停への協力を依頼
7月11日出産
7月13日 出生届コピーを元夫へ郵送、嫡出否認調停申し立てを依頼
7月20日 元夫が裁判所に嫡出否認の調停を申し立て
8月25日 調停
9月15日 裁判所にて、DNA鑑定(75,000円位)
9月29日 結審
10月20日 審判確定
11月1日 出生届を提出、全手続完了

 

元夫と嫡出否認調停を行う

Tさんの場合は、離婚原因が元夫にあり、離婚も元夫からの申し入れでした。

そのため、嫡出否認調停を行うにあたり協力的であり、手続きもスムーズに済んだようです。

 

元夫は、調停申立書類の作成や調停、DNA鑑定にも協力してくれました。
調停申し立てにかかる印紙や切手代、DNA鑑定費用はTさんが全て支払いました。


離婚自体は離婚日の半年以上前に決まっていたそうですが、元夫の仕事(自営業)の関係で遅くなったようです。


しかし、どんなに当人同士が半年以上前に離婚は決まっており、性交渉はなかったと主張しても、別居など婚姻関係が事実上終わっていたことを客観的に証明するものが何もありませんでした。

 

なので、事前に裁判所へ相談に行った際、認知調停(子どもの父親である、現夫を相手とした調停。元夫を関わらせる必要がないため、できればこの方法を取りたいという母親は多い)は認められなかったようです。

 

調停では、DNA鑑定も必要だと裁判官は判断しました。

 

嫡出否認調停~結審後の手続き

今回のように、たとえ元夫と母親との主張が同一で合意していたとしても、結局のところDNA鑑定を行う事が多いようです。

 

それであれば、本当に調停委員が双方から話を聞いたり、事実関係を確認する、調停自体が必要なのかと疑問に感じます。


裁判所は調停を申し立てる前に手続きなどについて、直接相談できる窓口を設けています。

場所は裁判所に併設されていることが多く、各市町村の裁判所ホームページを見るとわかります。


また、結審から審判確定までは2週間、双方から異議申し立てがないかを待つ期間があり、少し日にちが空いています。


審判確定後、審判確定の証明書類(別途、裁判所へ書類の作成を依頼する)と出生届を市区町村の戸籍課へ提出すると、問題なく子どもの戸籍が出来ます。


Tさんの場合は、すでに子どもの父親である現在の夫と婚姻していましたので認知届は必要なく、家族の戸籍に子どもが入ります。


もし、子どもの父親と結婚しない状態で認知だけをする場合は、認知届が必要です。

 

さいごに

本当に、無事お子さんの戸籍が取れて良かったと思います。

 

でも、今回Tさんの場合は元の旦那さんが協力したからスムーズでしたが、DVなどで離婚した場合、どうなるんでしょう。


想像するだけで大変です。現代という時代に合った、制度の改善を望みます。